目次

1998年7月~1999年2月 昔、長い旅をしました。 大阪から船で上海へ渡り、そこから中国をウイグル自治区まで横断。山を超えてパキスタンに入り、イランへ、そして北上し旧ソ連のアルメニア、グルジアを通ってトルコへ。その後、ブルガリア、ユーゴスラビア、…

L.A. (終章)

大きな地図で見る ロサンゼルスに来て、10日以上経っていた。 最初は5日ほど、ノブ君の家に泊めてもらったが、その後ヴェニス・ビーチにあるユースホステルに移った。そして、そこで知り合った、オーストラリア人旅行者で片言の日本語が出来るロッド・ホイと…

ロカ岬(ポルトガル編2)

大きな地図で見る 何もなかったかのように、静まり返った大西洋。その静寂が旅の終わりを予感させるかのようであった。 リスボン・カイス・ド・ソドレ駅から列車に乗ってやって来た大西洋沿いの小さな町カスカイスで、ロカ岬へ向かうローカル・バスを待って…

リスボン(ポルトガル編1)

大きな地図で見る メイ君と別れ、マドリッドから夜行列車に乗り、ついにユーラシア大陸横断としては最後の国となる、16カ国目、ポルトガルの首都リスボンへやって来た。 スペインからポルトガルへ入っても、大きな変化はないだろう。いい加減に思っていたが…

マドリッド(スペイン編6)

大きな地図で見る スペイン、特にアンダルシア地方では、列車よりもバスの方が細かく路線が延びており、安くて便利である。そのため、スペインでは、移動に、ほとんどバスを利用していた。 話が前後するが、セビリアからマドリッドへ向かう時も、当然のよう…

マラガ~セビリア~マドリッド(スペイン編5)

大きな地図で見る 40歳過ぎて、無職のバックパッカー。それは、ある意味では、格好いいのかもしれないが、このオヤジはそうではない。格好悪過ぎる。いや、面白過ぎる。そんなオヤジの話である。 グラナダから、温かい地中海に面したピカソの生地マラガ、フ…

バレンシア~グラナダ(スペイン編4)

大きな地図で見る 長く滞在したバルセロナを後にして、地中海沿いにバスで移動し、バレンシアに2日程滞在した後、さらにバスに乗り、アンダルシア地方のグラナダへやって来た。 アンドラからバルセロナへ向かった時以上に、その気候の変化が感じられる。ア…

バルセロナ(スペイン編3)

バルセロナの博物館などでは、3つの言語で説明が書かれてある。1つはスペイン語、もう1つは英語、そしてもう1つはカタルーニャ語である。(▼注33) フランコ独裁政権崩壊後のスペインで、カタルーニャの自治が認められたため、カタルーニャ語が自治政…

バルセロナ(スペイン編2)

大きな地図で見る ついに、この旅も、年をまたぐまでになっていた。 ピレネー山脈のアンドラから下りて来て、スペインへ入国。メイ君とともバルセロナに滞在していた。 昼頃に起き、アントニオ・ガウディの、かの有名なサグラダ・ファミリア、グエル公園など…

アンドラ(スペイン編1)

大きな地図で見る フランスとスペインの国境にまたがる、ピレネー山脈の中央に位置する、人口わずか5万人の国、アンドラ公国。僕とメイ君は、トゥールーズから直接スペインへは入らず、寄り道をしてみることにした。 トゥールーズからアンドラの首都アンド…

ニーム~カルカッソンヌ~トゥールーズ(フランス編4)

大きな地図で見る ニームのユースホステルは、山の上にひっそりと建っていたが、実際に中へ入ってみると、思いの他、若いフランス人でごった返していた。こんな田舎町に滞在して、いったい何をしているのだろうか。 いくつかのフランスのユースホステルに泊…

マルセイユ~アルル(フランス編3)

大きな地図で見る ニースから行動をともにいていた、ノブ君、メイ君と、南仏プロヴァンスのアルルへ行くために、マルセイユ駅のホームに立っていると、突然、フランス人の爺さんが、日本語で話し掛けて来た。 爺さんは、日本へ行ったことはないが、独学で日…

マルセイユ(フランス編2)

大きな地図で見る 「国を追われて、フランスへ逃げて来た。妻や子は殺された。」 マルセイユのユースホステルで出会ったアルジェリア人の話である。 そのアルジェリア人は、アルジェで大学の教授をしていたが、イスラム原理主義勢力の台頭とともに、知識人と…

ニース(フランス編1)

大きな地図で見る NB君、M子さんと別れ、ひとりでフランス・ニース行の列車に乗るために、早朝からトリノ駅のホームに来ていた。 ところが、列車の行き先が、なぜかイタリア側の国境駅であるベンティミリア止まりに変更されている。不思議に思い、駅員に尋ね…

ジェノヴァ~トリノ(イタリア編6)

大きな地図で見る ペルージャでみんなと別れ、久し振りにひとりになったので、斜塔で有名なピサで1泊した後、港町ジェノヴァへ向かった。 ジェノヴァ港近くの、暗く、貧しく、寂れた下町の裏通りを散策するのは楽しかったが、ここも2日滞在しただけで、すぐ…

ペルージャ(イタリア編5)

大きな地図で見る 再び北上して、ローマを経由し、ペルージャへやって来た。 ペルージャの中心地である11月4日広場は、小高い丘の上にあり、ユースホステルも、そのすぐ近くにある。 ペルージャ駅に降り立ち、キョロキョロしていると、話し掛けて来た日本…

ナポリ(イタリア編4)

大きな地図で見る ローマで、Y君と別れ、N君と2人で、ナポリへ南下していた。 次に観に行く予定のペルージャのゲームの人気が無いので、当日や前日でも楽にチケットが取れるため、少し時間に余裕の出来たのだ。 先週、フィレンツェにいた頃には、イタリア…

フィレンツェ~ローマ(イタリア編3)

大きな地図で見る フィオレンティーナVSインテルのゲームは、バティストゥータのフリーキックなどで、地元フィオレンティーナが3対1で勝った。 試合そのものは、目当てであったロベルト・バッジオが精彩を欠き、途中交代。さらに、ロナウドも故障で欠場…

ボローニャ~フィレンツェ(イタリア編2)

大きな地図で見る イタリア、いやヨーロッパに来た最大の目的は、サッカーを観戦することである。セリエAの日程を確認したところ、11月22日にフィレンツェで、フィオレンティーナVSインテルのゲームがあるということを知った。 この年のインテルは、…

ヴェネツィア(イタリア編1)

大きな地図で見る 結局、二日酔いのため、予定通りに出発出来なかったので、1日遅れでブレッド湖を後にした。バスで、首都リュブリャーナまで一旦戻り、そこで列車に乗り換え、約5時間で、ついにイタリア・ヴェネツィア。 日に日に快適になる列車に、すっ…

ブレッド/スロベニア(東欧編5)

大きな地図で見る ザグレブから列車で、わずか3時間半、スロベニアの首都リュブリャーナへやって来た。 駅のベンチに腰掛け、ツーリスト・インフォメーションでもらった観光案内のパンフレットをパラパラとめくっていて、ふとある写真に目が止まった。 霧に…

ザグレブ/クロアチア(東欧編4)

大きな地図で見る ユーゴスラビアからハンガリーへと遠回りしたが、再びブダペストから南下し、クロアチアの首都ザグレブへやって来た。 日本人にとって、クロアチアと聞いて、一番最初に思い浮かぶのは、あのフランス・ワールドカップであろう。 ご存知の通…

ブダペスト/ハンガリー(東欧編3)

大きな地図で見る ベオグラードから、さらに北上して、この旅の最も北にあたるハンガリーの首都ブダペストにやって来た。 ここブダペストは、温泉の多いことで有名であり、ドナウ川を挟んで、西側のブダ、そして東側のペスト、その両側にいくつもの温泉が点…

ベオグラード/ユーゴスラビア(東欧編2)

大きな地図で見る プロブディフを後にした僕は、ローカル列車でソフィアまで行き、そこから再びバルカン・エクスプレスに乗り換え、ユーゴスラビアの首都ベオグラードに向かっていた。 この時、既にコソボ自治区において、セルビア人とアルバニア人が民族紛…

プロブディフ/ブルガリア(東欧編1)

大きな地図で見る ついにアジアに別れを告げ、イスタンブールから、国際列車バルカン・エクスプレスに乗り、ブルガリアに向かっていた。 いよいよ明日、目が覚めれば、そこはもうヨーロッパだ。そう思いながら、ウトウトしていると、突然、叩き起こされた。 …

アジアの子供たち

次回から、ついに東欧編に突入する「股旅日記」ですが、ちょっと一息。 アジアの子供たちの写真を紹介。(なお、この98~99年の長旅とは違う時の写真も、混ざっております。) パスー(パキスタン) パスー(パキスタン) ヤズド(イラン) イスタンブール(…

イスタンブール(トルコ編4)

イスタンブールに着いて、毎日のように、町の至るところを歩き回っていた。 ガラタ橋を渡り、新市街タキシムへ。グラン・バザールからアクサライ方面へ。さらに、トルコ建国75周年記念で、タダになっているのをいいことに、バスやトラムにも乗りまくってい…

イスタンブール(トルコ編3)

大きな地図で見る バスは、イスタンブールのアジア側(ハレム)のオトガル(バスターミナル)に到着した。ここから、ボスポラス海峡を渡る連絡船に30分程乗れば、ヨーロッパ側(エミノニュ)へ着く。 すなわち、そこは旅の第1部アジア横断の終点。 大阪か…

カッパドキア~パムッカレ(トルコ編2)

大きな地図で見る 夜行バスに乗り込んだ僕は、どうも落ち着かなかった。尻が痛いのだ。それも穴が。 トラブゾンの後、カッパドキアに5日ほど滞在した僕は、パムッカレへ向かっていた。 今日の昼間、カッパドキアのゼルベ屋外博物館へ行くため、自転車に乗っ…

トラブゾン(トルコ編1)

大きな地図で見る トビリシからバトゥーミまで、夜行列車で行き、特に揉めることもなく、サルプで国境を越え、トルコへ入国した。 黒海沿いにリゼなどを経由して、小刻みにバスなどを乗り継いで、トラブゾンへやって来た。ここは、13世紀十字軍のコンスタ…