トビリシ/グルジア(旧ソ連編3)

大きな地図で見る 翌朝、シトシトと雨が降り続ける暗い空の下、列車は廃墟のような、グルジアの首都トビリシ駅へ到着した。 旧ソ連や東欧など旧共産圏は、特有の無機質な暗さを漂わせているが、ここトビリシは、今回旅した中でも、最もそれを強く感じた街で…

エレヴァン(旧ソ連編2)

大きな地図で見る 結局、バスは遅れに遅れ、首都エレヴァンに着いた時は、午前3時を回っていた。ひどい疲れと、夜になり再びやって来た寒さのため、とにかく、どこでもいいから早く温かいところで眠りたい。 だが、はたしてこんな深夜にホテルが空いている…

テヘラン~エレヴァン/アルメニア(旧ソ連編1)

大きな地図で見る テヘランからアルメニア・エレヴァンまで行く国際バスに乗る予定で、バスターミナルにいた。数日前、一旦分かれ、カスピ海方面に行っていた大学生のY君と、ここで再び合流することになっていたのだ。 しかし、出発30分前を過ぎても彼は現れ…

パキスタンのスター・ブロマイド

次回から、旧ソ連編に突入する「股旅日記」ですが、ちょっと一息。 パキスタンで買い集めていた、スター・ブロマイドを紹介。 いきなり、濃すぎる・・ ちょい悪系?? ・・・・・

テヘラン(イラン編4)

大きな地図で見る パキスタン・ラワールピンディーの安宿ポピュラー・インや、国境、大使館などで、日本人大学生の行方不明捜索のポスターを何度も見掛けた。不明者の写真と母親の悲痛なメッセージが何とも痛々しく、思わず、ぞっとしてしまった。 この時期…

イスファハン~テヘラン(イラン編3)

大きな地図で見る (なぜ、アリ・ダエイがマンチェスター・ユナイテッドの、アジジがセルティックのユニホームを?? アイコラ以下の顔の挿げ替え。イランでは、こんなブロマイドが売られている。笑) イスファハン(▼注16)にやって来た僕は、毎日のように…

バム(イラン編2)

大きな地図で見る アルゲ・バム(▼注14)を見に行き、感動冷めやらぬまま宿に戻って来た僕に、ロビーで情報ノートを見ていた日本人の大学生が話し掛けて来た。それがこの後、1ヶ月程行動を共にすることになるY君である。 日本人と会うのは一体いつ以来だ…

クイ・タフタン~ザヘダン(イラン編1)

大きな地図で見る (イランの子供が書いてくれた、ホメイニ師の絵) 早朝に到着した難民キャンプのようなクイ・タフタンで、パキスタン側の出国手続きを簡単に済ませ、イラン側の国境ゲートが開くのを待っていると、下痢なのか、急に便意を催して来た。 慌て…

クエッタ~クイ・タフタン(パキスタン編9)

大きな地図で見る 2週間前、パキスタン南部で、嫌な噂を耳にしていた。 5月に行われたパキスタンの核実験(▼注12)の影響で、パキスタン・イラン国境が閉まっている、また開いていたとしても、バルチスタン砂漠を越える際に、被爆するのではないかと言う…

ムルタン~クエッタ(パキスタン編8)

ムルタンからクエッタ行きの列車に無事乗り込んだ僕は、少し腹の調子が悪くなり始めていた。毎日、水分ばっかり取っているせいだろうか。 列車は全く電気が点かずに、夜は真っ暗。懐中電灯で照らしながら、何とかトイレまで行き、用を足していると、手が滑り…

ムルタン(パキスタン編7)

大きな地図で見る ラホールから、快適なフライング・コーチ(大都市間を結ぶエアコン付きのデラックス・バス)で7時間、クエッタへ向かう途中の町ムルタンヘ寄ってみた。 するとそこは、さらに暑かった。何と45℃である。こんなことが許されていいのだろう…

ラホール(パキスタン編6)

大きな地図で見る ラワールピンディーからバスで6時間。インドの国境に近いパキスタン第2の都市ラホールへやって来た。最も悪名の高い町であり、多くの旅行者は通過してしまうことが多いらしい。それは何故か? ラホール駅前に安宿街が広がっているのだが…

ラワルピンディ~イスラマバード(パキスタン編5)

大きな地図で見る ギルギットで知り合った大学生のW君とともに、夜行バスに乗り込んだ僕は、ラワールピンディーへ向かっていた。KKHを一晩かけて、南下するそのバスは、狭い崖沿いの道をひた走る。 途中かの有名なナンガー・パルパット(8125m)を横…

ギルギット(パキスタン編4)

大きな地図で見る フンザからパキスタン北部へ上る拠点になる町、ギルギットへ下りてきた僕は、宿を探していた。 ギルギットには、ツーリスト・コテージという有名な日本旅行者の溜まり場宿があるが、聞いた話によると、日本のマンガがたくさん置いてあり、…

フンザ(パキスタン編3)

大きな地図で見る パスーから、グルミットを経由して、ヒッチハイクで3時間、 カリマバードに到着した僕は、ジープ乗り場となっているゼロポイントから歩いて、まだ観光化されていないアルチット村へ向かっていた。(▼注8) ふと後ろに気配を感じて振り向…

パスー(パキスタン編2)

大きな地図で見る 宿に置いてある情報ノートを参考に、パスー氷河、バトゥラ氷河を見に、ユンズバレー・トレッキングへ行ってみることにした。 但し、フンザのトレッキングは、ネパールなどのように、現地の人が生活しているような道などではなく、ただの瓦…

カシュガル~タシュクルガン~パスー(パキスタン編1)

大きな地図で見る カシュガル(喀什)からタシュクルガン(塔什庫爾)を経由し、バスで1泊2日行くと、そこはパキスタン。それが、かの有名なクンジュラブ峠越えである。(▼注7) 其尼瓦克賓館の敷地内から、毎日1便しかないパキスタン・ススト行きのバス…

カシュガル(中国編7)

大きな地図で見る 旅を続けるに当たって、一番大切なものは何だろうか? 命や体は別として、やはり現金、トラベラーズチェック、クレジットカード、パスポートだろうか。もしそれを全部失ってしまったら・・・・・、考えたくもないが・・・・・。 そういう男…

ウルムチ~カシュガル(中国編6)

長かった中国鉄道の旅も終わり、ここから先の天山南路はバスしかない。ここウルムチからタクラマカン砂漠の西端に位置するオアシスの町、カシュガル(喀什)まで、予定では33時間。 外国人料金ということで、2倍するというチケットには困ったが、運良く話…

ウルムチ(中国編5)

大きな地図で見る 「オヤジ!ケバブをもう5本くれ!」 今日も酒を飲んでいた。 トルファンからバスで2時間、ウイグル自治区最大の町、ウルムチ(烏魯木斎)へやって来た僕は、相変わらずの毎日を送っていた。 変わったのは、酒の肴が中華料理からケバブに…

トルファン(中国編4)

大きな地図で見る 西安から2泊3日、一気にウイグル自治区のトルファン(吐魯番)まで、やって来た。 ウイグル自治区は、中国の西端に位置し、ここに住むのは、漢民族ではなく、ウイグル人。言葉も文字も違うイスラム圏である。 トルファンは、タクラマカン…

西安(中国編3)

大きな地図で見る 「中国人(特に漢民族)はムカつくことが多いと思うよ。多分、お前はキレるんじゃないか。」 旅に出る前に、友人たちから、散々そう言われた。 まず旅行者が中国で受ける第一の洗礼が、数々の旅行記でも書かれているように、「没有!(あり…

上海(中国編2)

来る日も来る日も、歩き回っていた。だが、僕の目を惹き付けたのは、その街並みや光景などではなく、中国人そのものであった。 ファッションセンスとういうものは、個人の趣味、或いは、時代、地域などによって、大きく違うものだろう。また貧しくて、欲しい…

上海(中国編1)

大きな地図で見る 48時間かかって、上海へ到着した。家を出てから、ようやく4日目にして中国へ入国した。いよいよスタート地点に立ったのだ。 中国は、あまり安宿は無く、中級ぐらいのホテルをドミトリー(相部屋)として開放していて、それが最も安いら…

大阪~上海 (序章)

船は、大陸へ向かって、進んでいた。 長い旅に出るために、長く勤めていた仕事を辞め、アパートを引き払い、大阪から船に乗り、上海を目指していた。そこから、アジアを陸路で横断し、トルコのイスタンブールへ向かうという以外に、これといった予定を立てて…